わきがや多汗症に悩んでいる人は数多くいますが、正しい治療方法を行えば再発はほとんどないと言われています。わきがの原因となるアポクリン汗腺や、多汗症の原因となるエクリン汗腺を取り除くことで症状は改善されます。現在ではわきが、多汗症の治療方法がたくさんありますが、その効果は軽く軽減されるものから再発がほとんどないものまであるので、それぞれの特徴、効果などを把握してから治療を受けることが大切です。

皮下組織吸引法
わきがの皮下組織吸引法は、脂肪吸引を応用した治療です。わきの下に数mmの穴を開け、カニューレを入れてわきがの原因となるアポクリン汗腺を吸い出します。術後の傷跡も目立たず回復も早いのですが、汗腺を全て取り除くのは難しく再発することもあります。わきがには効果がありますが、多汗症にはあまり効果がないと言われています。

超音波法
超音波法は、超音波の振動を利用して汗腺を破壊してから吸引する治療です。わきの下に数mmの穴を開け、超音波発生器を挿入しアポクリン汗腺などの汗腺類を破壊して吸引していきます。メリットは、血管や神経を傷つける心配がなく、手術時間も約30分程度で終わり、皮膚の生着が早く術後の回復が早いなどがあります。デメリットは、超音波の熱で皮膚にダメージが起きることがあり火傷を起こすことがあります。また、アポクリン汗腺の取り残しや再発が見られるため、超音波法の効果は皮下組織吸引法より劣るとも言われているようです。わきがには効果がありますが、多汗症にはあまり効果がないと言われています。

皮下脂肪組織掻爬法
皮下脂肪組織掻爬法は、キューレットという器具を使ってアポクリン汗腺を掻き出す治療です。わきの下の中央のしわ部分を数cm切開し、スプーン状のキューレットという器具を挿入してアポクリン汗腺などを掻き出します。剪除法よりも傷口は小さいのですが、皮膚の生着に時間がかかり術後の回復が遅くなるデメリットがあります。また、キューレットで周りを傷つけてしまうこともあり、アポクリン汗腺を全て取り除くのは難しく、再発率も高いと言われています。わきがには効果がありますが、多汗症にはあまり効果がないと言われています。

皮下脂肪組織削除法
皮下脂肪組織削除法は、故・稲葉博士の開発した皮下組織削除器を使って行う治療で、イナバ式皮膚削除法とも呼ばれています。皮下組織削除器は、はさみのような形状で片方の先端は刃、もう片方はローラーがついています。わきの下の中央のしわ部分を数cm切開し、皮下組織削除器を挿入してアポクリン汗腺などを削り取ります。皮膚表面近くのエクリン汗腺も取り除くことができるので多汗症にも効果があり、再発の少ない治療です。また、腋毛を残したい場合には、ある程度残すことが可能です。デメリットは、皮膚が薄くなるため術後の跡が目立ってしまうことがあり、医師の技術、経験があるかが重要です。

剪除法
剪除法は、わきの下の皮膚をめくってアポクリン汗腺をはさみで取り除く治療です。わきの下のしわに沿って約3〜5cm程度の切開を数本入れ、皮膚をめくってアポクリン汗腺を目で確認しながらはさみで取り除いていきます。わきがの治療の中では最も効果的と言われていますが、傷跡が他の治療と比べると大きくなり、術後のケアや回復に時間がかかります。手術には、医師の技術や経験が必要となります。アポクリン汗腺の他に腋毛の毛根も取り除けるため、多少の脱毛効果があります。エクリン汗腺は皮膚表面近くにあり、取り除くことが困難なため多汗症にはあまり効果が期待できません。

ボトックス治療法
わきの下にボトックスを注入して汗腺の働きを抑制する治療です。ボトックスを注入することで、多汗症の原因となるエクリン汗腺につながる神経に働きかけ汗の量を減らすことができます。わきがにはあまり効果が期待できませんが、多汗症には効果的な治療です。治療時間は約10分程度と短く、痛みもほとんどなく、気軽に受けれることがメリットです。個人差がありますが半年程度で効果がなくなるため、持続させるためには定期的に注入する必要があります。ボトックスによる治療では、初めに注入した時よりも、2回目以降は効果が持続していくと言われているため、数回の注入で汗の量が気にならなくなる人もいるようです。