豊胸手術では、シリコンや生理食塩水でできた人工のバックを入れる手術が一般的です。その他、脂肪吸引などで吸引した脂肪をバストへ注入する方法や、プチ整形でヒアルロン酸などを注入する方法があります。過去には人工バックが破裂してしまった、硬すぎるなどの失敗例も聞かれましたが、現在では安全でより自然な仕上がりになる人工バックが使われています。それぞれの治療法の特徴を理解して、自分に適した方法を選択することが重要です。

人工乳腺法
人工乳腺法は人工のバックを挿入する手術です。人工のバックに使われるのは、生理食塩水やコヒーシブシリコン、ハイドロジェルなどがあります。手術には乳腺下法と大胸筋下法があります。乳腺下法は、大胸筋と乳腺の間にバックをいれます。わきの下か乳輪、乳房のいずれかの場所を切開して挿入します。術後の痛みは大胸筋下法よりも軽く、やわらかさを出しやすい方法です。ある程度皮下脂肪がある人、出産や授乳後にしぼんでしまった人などに適しています。大胸筋下法は、わきの下を切開して、大胸筋の下にバックを入れます。やわらかさは乳腺下法よりも出せませんが、皮下脂肪の少ない人や皮膚が薄い人でも、バックの形が出にくいので自然なバストが作れます。術後のマッサージ、定期健診などのアフターケアがより自然なバストにするためには重要です。

脂肪注入法
脂肪注入法は脂肪吸引などで吸引した脂肪を注入する方法です。人工のバックを挿入するのには抵抗がある人や、自然に多少のバストアップをしたい人に適しています。まず脂肪吸引で余分なお腹などの脂肪を吸引します。吸引した脂肪の状態の良いものを注射器で少量ずつバストへ注入していきます。注入された脂肪は毛細血管へと取り込まれバストに落ち着きますが、取り込まれなかった脂肪は体内に吸収されます。バストへ定着するのは20〜30％と言われていますが、幹細胞を注入することで定着率を50％程度まで上げることもできる最新の方法もあるようです。後日、脂肪吸引した箇所の抜糸が必要となります。

ヒアルロン酸注入法
ヒアルロン酸をバストへ注入して胸の形や大きさを整える方法です。ヒアルロン酸のメリットは部分的に注入することで調節できるため、理想のバストの形に近づけます。もともと人体にある成分のため、アレルギーの心配がなく、ヒアルロン酸の種類によって柔らかさなども変えられます。治療はメスは使わず、極細の注射針で注入するため痛みが少なく、時間も20〜30分程度で終わります。即効性がありますが、徐々に吸収されてしまうため個人差がありますがバストの場合は1〜2年程度で元の状態に戻ります。